ポカヨケシステムとは
多品種少量生産の時代
私たちの生活を便利で豊かにしてくれる様々な製品。少し前までは、機械化された工場で同じものを大量に作る「少品種大量生産」が主流でした。
しかし、近年は、嗜好や目的の多様化により、数多くの種類の製品を必要なだけ作る「多品種少量生産」が主流になってきました。そして、様々な製品の製造に柔軟に対応するため、再び、人の手による作業が増えてきたのです。
そこにあるミス
しかし、どんな作業でも完全というものはありません。作業中のちょっとしたミス=ポカによって、たくさんの製品の中にほんの少し、不良品が発生しています。もちろん、不良品を出荷しないよう、製造後に厳しい検査が行われていますが、作っている途中でもミスを減らすことができれば、不良品にかかるコストを抑えることができます。
そこで考えられたシステムの一つが、ポカヨケシステムです。
画像で見る、動きを見る
ポカヨケシステムにもたくさんの種類があります。部品箱の前のセンサーで手が通過したことを検知するもの、ランプを表示して順番を提示するもの、工具にカウンターをつけて締め付け回数を数えるものなどです。
岐阜県情報技術研究所で研究をしているポカヨケシステムは、既存のシステムに加え、画像を使って人の動作を見るというものです。
つまり、部品箱から部品を取り出した後、その手をどのように動かしたかを見ているのです。
製造現場で
普通、画像処理で検査を行うときは、対象認識、動作解析、正誤判定を行います。しかし、このポカヨケシステムでは、時間や計算コストの高い対象認識を行わず、画像の動いている部分に注目し、その動き方で正誤判定を行います。
例えば、ねじ締め作業では、レンチで締める・レンチを戻すの作業が繰り返されますが、これを画像処理で右向きの移動量と左向きの移動量に分解。交互に繰り返されていれば問題ありませんが、途中で別の向きに動いたり、繰り返し回数が少なかったりすると間違っていると判断します。
テクノロジー
この技術のポイントの一つは、手や部品の検出を行わずに、動きの傾向だけを見ることです。先ほどのねじ締めの場合でも、ねじとレンチ、手や腕などを判別せず、全体的にどちら向きの移動量が大きいかという情報を使っています。
そのため、認識のための膨大な学習データや計算コストを省くことができます。
もう一つのポイントは、標準作業との比較をするということです。人の行動パターンは無数にありますが、製造現場では、安全や効率のため標準作業というものが決められています。最初にこの標準作業を登録するだけで、部品や作業内容が変わったときにも柔軟に対応できます。