プロセス制御によるマグネシウム合金の成形加工技術の研究
(第1報)
-- 合金設計・押出成形技術 --
粉末を原料とした成形プロセスによるMg-Zr成形体の機械的諸特性の向上について検討した。マトリックス粉末に機械的特性の優れたMg2Si粉末を添 加した複合材料を熱間押出成形により作製した。Mg2Si粉末の添加効果の検討として、Mg2Si粉末の形状・寸法やその添加量及び熱間押出成形温度によ る影響に関する熱間押出成形体の組織や機械的諸特性を評価した。押出成形体におけるマトリックス組織の結晶粒径は、Mg2Si粉末の種類やその添加量及び 押出成形温度に対して大きな差異は確認されなかったが、Mg2Si粒子及びZr粒子がマトリックス中に比較的均一分散していることを確認した。Mg-Zr 成形体へ形状や寸法の異なる各種のMg2Si粉末を添加した押出成形体の曲げ強さの向上は確認されなかった。また、Mg2Si粉末を添加した押出成形体の 曲げ強さは、既存のMg合金であるAZ91鋳造材、AM60鋳造材、AZ31圧延材より低く、制振合金とされるMCM鋳造材やK1A鋳造材より高い値を示した。
プロセス制御によるマグネシウム合金の成形加工技術の研究
(第2報)
-- 成形プロセス研究 --
マグネシウムは実用金属中で最も軽くリサイクル性等に優れた材料である。マグネシウム合金は523K以下では塑性変形しにくい特性を持ち、その成形には主に射出成形法が用いられている。しかし、マグネシウ合金の利用をより一層拡げるには、プレス成形法の適用を可能にする必要がある。ここでは新しいマグネシウム合金であるMgSiXを取り上げ、塑性加工法による成形プロセスの確立を目ざして研究を行った。具体的には、①プロセス探求による室温プレス成形法の確立、②繰返塑性加工と熱処理による材料自体の成形性の向上について研究を行った。その結果次のようなことがわかった。UO曲げにより、室温で円筒形状への成形が可能である。繰返塑性変形材の熱処理では、543K、30分の低温短時間の条件で変形抵抗が初期状態にまで回復し、成形特性を改善できる可能性がある。
クリーンな接合技術の開発と応用研究
(第5報)
-- FSWによるスポット接合(Ⅱ) --
マグネシウムは一般的に使用されている金属のなかでも比重が小さく,比強度も優れ摩擦撹拌接合(Friction Stir Welding:以下FSW)によるアルミ合金板のスポット接合に関する実験を行った。アルミニウム合金A2000系とA5000系とを重ね合わせ、自動摩擦溶接機を使用してFSWツール回転数、材料侵入後のツール保持時間を変えてFSWスポット接合を行った。各接合試料について剪断引張強度、十字引張強度を調べ、接合断面を観察することによってスポット接合にFSWを適用した場合の接合強さに及ぼす要因などが明らかになった。
クリーンな接合技術の開発と応用研究
(第6報)
-- 表面活性化接合技術 --
表面活性化接合法(SAB)を用いて、より簡便で安価な接合手法として、表面活性化処理後、大気中での加熱を用いた接合方法(表面活性化加熱接合)の検討を行った。その結果、接合可能な加熱温度、および各加熱温度による接合強度は、各種試料の組合せによって差違があることがわかった。また、表面を研磨し、さらに、スパッタエッチングすることで加熱温度を低く抑えることができた。一方、試料表面が粗い場合、スパッタエッチングの有無による接合強度の差違はみられなかった。
クリーンな接合技術の開発と応用研究
(第7報)
-- 金属とセラミックスの傾斜機能材料の開発(Ⅱ) --
TiB2、TiNとTiの接合手段として傾斜機能材の作成を試みた。焼結法として放電焼結および真空焼結、傾斜形成としてTiB2についてはTiB2/Ti系とTiB2/Ti-B/Ti系(燃焼合成の応用)、TiNについてはTiN/Ti系で行った。
- 放電焼結は黒鉛型成形であるため加圧できるので、TiB2、TiNいずれも真空焼結よりも焼結性はよく、さらにはクラックや変形などの発生も少ない傾斜材が得られた。
- 一般的な真空焼結でも傾斜材の成形が可能であった。
- TiB2/Ti系の傾斜形成法では、クラックも少ない傾斜層が生成され、TiB2とTiの接合体が得られた。
- TiB2/Ti-B/Ti系の傾斜形成法では、傾斜部でTiB2の合成反応が生じ、Ti/B+Ti混合のなだらかな傾斜層が生成され、TiB2とTiの接合体が得られた。
- TiN/Ti系の傾斜形成法では、クラックも少ない傾斜層が生成され、TiNとTiの接合体が得られた。
クリーンな接合技術の開発と応用研究
(第8報)
-- セラミックスと金属の接合に関する研究(TiNまたはTiB2とTiの接合)(Ⅱ) --
軽量・高硬度の二種類のセラミックスTiNまたはTiB2とTi―8Al―4V合金とのろう付法を開発するとともに、材料界面における組織観察により材料間の接合機構を明らかにした。いずれもAg―27.1mass%Cu-4.6mass%Ti合金ろうを用い真空ろう付された。TiNとTiとのろう付では界面にクラックもなく、良好な接合体が形成された。一方、TiB2とTiとのろう付では界面付近のTiB2中にクラックスが発生し、良好な接合体が得られなかった。両セラミックスとTiの間に低膨張金属のMo板を挿入した場合、界面には割れの無い良好なTiNまたはTiB2/Mo/Ti多層接合体が形成された。
マイクロ波を利用した粉末冶金技術の開発
マイクロ波を利用した粉末冶金によって金属基セラミックス分散複合材料を作製するための予備実験として、様々な金属やセラミックスのマイクロ波による加熱特性について検討する。最初に、2.45GHzのマイクロ波焼結炉により、各種の雰囲気で数種の金属及びその酸化物を1.8ks加熱し、赤外線放射温度計により温度測定を行った。金属はマイクロ波を反射するという特性があるにもかかわらず、大気中においてNi等はマイクロ波によって容易に加熱されるが、金属のマイクロ波吸収によるものか、金属表面の酸化被膜が温度上昇に寄与しているのかなどはっきりしていない。そこで酸化を避けるため不活性ガス中でマイクロ波による粉末加熱実験を行った。その結果種々の金属の加熱特性を、1)金属:不良、酸化物:不良、2)金属:不良、酸化物:良、3)金属:良 、酸化物:不良、4)金属:良 、酸化物:良 の4つに分類した。これらの結果から、ベース金属、分散セラミックスを選択しマイクロ波によって効率的に複合材料を作製する設計指針としていく。なお、本研究は大学共同利用機関法人自然科学研究機構核融合科学研究所、岐阜県セラミックス技術研究所、岐阜県製品技術研究所の共同研究として実施した。
切れ味の耐久性を高める2次刃の加工技術研究
(第3報)
素鋼やステンレス鋼、超鋼合金などからなる試験刃を試作してサブゼロ処理を行い、耐久試験機により切れ味とその耐久性について検討した。その結果、超鋼合金が約287万枚で最高となった。次に白鋳鉄V合金(HRC66)が超鋼合金の約33%減の191万枚、粉末ダイス鋼T500℃が約60%減、A材と8材が約82%減、セラミックスとS55Cが約88%減となっている。 次に、切れ味劣化に伴う刃先先端形状について、SUS440Aで明らかなつぶれが観察された。このことから、刃先先端の5つの摩滅劣化モデルを提案した。
地場産業製品の品質管理に関する研究
-- 画像解析による刃先角度の測定 --
大量生産形態で発展してきた製造業は、中国や韓国等からの安価な輸入品が増えたことで大きな影響を受けている。そのため、国内製造業は海外に製造拠点を移したり、多品種少量生産に生産形態を変化させて生き残りを図っている。しかし、どのような生産形態においても製品の品質保証を行うことは重要な課題である。刃物製造業においても製品の切れ味を保証する必要はあるが、切れ味は刃先角度等の様々な要素が絡んでいるため、現状の測定装置では人手や時間を要するため抜き取り検査でしか対応できない。そこで、本年度は刃物製品の品質管理上重要となる刃先角度測定について、画像解析を利用して短時間に測定できる装置の開発を行った。


